コリン・パウエル著「リーダーを目指す人の心得」
2021年10月18日にコリン・パウエル元国務長官がお亡くなりになられました。
コリン・パウエル氏のご著書「リーダーを目指す人の心得」のことを思い出したので、本棚から持ってきました。
何年か前に、離れて暮らす父(80代)から宅急便で送られてきたものです。
リーダーを目指す人の心得 文庫版 | コリン・パウエル, トニー・コルツ, 井口耕二 |本 | 通販 | Amazon
本書の冒頭「はじめに」もなかなか良いです。
『私は逸話が大好きだ。』
『そうして集めた逸話や体験のうち、私がずっと記憶していたものをまとめたのが本書だ。』
『本書には結論もなければ提案もない。』
『これらについて、私が確実に言えるのはただひとつ・・・私はこれでうまくいった、である。』
とのことです。
ユーモアのある人柄が偲ばれます。
「コリン・パウエルのルール(自戒13カ条)」も良いです。
なんか、着実に人生(軍歴)を積み重ねてきたことが表れています。
1.なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。
2.まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。
3.自分の人格と意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されたとき自分も地に落ちてしまう。
4.やればできる。
5.選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。
6.優れた決断を問題で曇らせてはならない。
7.他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。
8.小さなことをチェックすべし。
9.功績は分けあう。
10.冷静であれ。親切であれ。
11.ビジョンを持て。一歩先を要求しろ。
12.恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。
13.楽観的でありつづければ力が倍増する。
なんか本当に、叩き上げの軍人、という感じですね。
早速、自分の子供たちに「父の言葉」として伝えたいと思います。
パウエルさんは、陸軍士官学校など、有名な士官養成機関の出身ではなく、ニューヨークのハーレムにあるニューヨーク市立大学を卒業されています。
『誰でも入れて学費がかからない大学』だそうです。
このニューヨーク市立大学の予備役将校訓練隊(ROTC)プログラムを卒業して、少尉として任官されました。
『予備役将校訓練隊初の卒業生、初の黒人が、史上最年少の統合参謀本部議長になった』
その努力、苦労たるや、並大抵のことではなかったことでしょう。
でも、そんな苦労はおくびにも出さず、淡々とした語り口が魅力です。
Yahooニュースに亡くなる三ヶ月前のインタビューが載ってました。
最後の質問「あなたが知るなかで最も偉大だった人は誰ですか?」
彼が即答したのは、
「それはアルマ・パウエルだよ」
58年連れ添った、彼の奥様です。
ご冥福をお祈りいたします。