読書メモ:方丈記(鴨長明著)

「ゆく河の流れは絶えずして しかも もとの水にあらず」
という有名な文章で始まる、
鴨長明方丈記です。
 
これに続く文章をご存知でしょうか?
私は知りませんでした。
 
 
「淀みに浮かぶうたかたは
かつ消えかつ結びて、
ひさしくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」
 
なんで今頃「方丈記」とお思いかもしれません。
ふと本屋さんで目に留まり、
そのまま買って帰りました。
 
「日本中世文学の代表的な随筆とされ、
「古典日本三大随筆」に数えられる。」(Wikipedia
 
原文は意外に短く、20ページほどなのですぐ読めます。
 
出だしは、大火、大風、遷都、飢饉、大地震などの
災厄の描写が続きます。
 
今現在の日本も毎年のように災害が発生しています。
当時の人々も同じ日本人であり、
同じような心情を持っていたんだなと
当たり前のことに気が付きました。
 
また鴨長明という人も挫折の多い人生だったようで、
共感する部分がたくさんありました。
 
意味はわからなくても、古文のリズムは心地よいです。
 
「人のいとなみ、みな愚かなるなかに、
さしも危うき京中の家をつくるとて、
財(たから)を費やし、心を悩ます事は、
すぐれてあぢきなくぞ侍る」
 
「魚(いを)は水に飽かず。
魚にあらざれば、その心を知らず。
 
鳥は林をねがふ。
鳥にあらざれば、その心を知らず。」
 
秋の夜長に、日本中世の無常観を味わうのはいかがでしょうか?