読書メモ:死は存在しない(田坂広志著)

あなたは死後の世界を信じますか?

 

「死後、我々はどうなるのか?」

「最先端量子科学が示す新たな仮説」

「死後の世界」と「量子科学」の関係に興味を惹かれて読んでみました。

 

『死は存在しない』田坂広志著

です。



 

冒頭に、

「この本を手に取られた、あなたへ」ということで、

想定する読者のタイプが6つ書かれています。

 

あなたは以下のどれかに当てはまりますか?

・「死」を直視するべきときを迎えた、あなたへ

・「科学」にも「宗教」にも疑問を抱かれている、あなたへ

・最先端量子科学の「仮説」に興味を持たれている、あなたへ

・人生で「不思議な体験」が起こる理由を知りたい、あなたへ

・肉親の「死」について切実な思いを抱かれている、あなたへ

・「死」についての思索を深めたい、あなたへ

 

著者の田坂さんは、

「科学者」「研究者」として、

唯物論的な世界観を持っており、

「死とは、無に帰することである」

との信念を持っていたそうです

(30歳過ぎまでは。。)。

 

でも、様々な「意識の不思議な出来事」

(予知、直観、予感みたいなもの)

を体験して、考えが変わったそうです。

 

そして、あくまで「科学者」として、

不思議な体験を解明しようと、

数十年かけて「一つの科学的な仮説」にたどり着いた。

 

それが、「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」

とのことです。

 

ご興味を持たれたあなた、是非読んでみてください。

読書メモ:スマホ脳(アンデシュ・ハンセン著)

すでに続編の「ストレス脳」、「運動脳」が出版されている、
アンデシュ・ハンセンさんの「スマホ脳」を紹介します
(いつも半歩どころか何歩も遅れてすいません)。
 
 
■ステーブジョブズは我が子にはiPadを触らせなかった
 
ウチの息子(小4)も、最近ずっとスマホを見ているので、
どうにかやめさせたいと思ってこの本を手に取りました。
 
著者のアンデシュ・ハンセンさんはスウェーデン出身の
精神科のお医者さんです。
 
スウェーデンではなんと大人の9人に1人以上が
抗うつ剤を服用しているし、
同様の統計が多くの国で見られる。」
 
「この増加は、ここ数十年で私たちが裕福になり、
GDPが上昇するにつれて起きた。」
 
「良い暮らし」が心の健康と結びつかない、
という矛盾に対する疑問からこの本が生まれた
ということです。
 
 
■人間の脳はデジタル社会に適応していない
 
20万年前に東アフリカに出現した人類は、
スマホなしでそのほとんどの歴史を作ってきました。
 
狩猟採集民として生きていた人間は、
・50~150人程度の集団で暮らしていた。
・生涯に出会う人間の数は200人程度。
・全人口の半数は10歳を迎えずに亡くなった
(平均寿命は30歳足らず)。
・人口の10~15%は、他の人間に殺された。
 
今でも私たちは、狩猟採集民の脳を持っていて、
デジタルの世界に適応するのに苦労しています。
 
 
■子供のスマホ依存
 
脳の報酬中枢が未発達な子供や若者たちは
スマホを手に取りたいという欲求を我慢できません。
 
またドーパミンシステムの活動が一番活発なのは
ティーンエイジャーで、
興奮も落ち込みも激しい時期です。
 
衝動を抑えられず、激しい興奮を感じやすいので、
若者は依存症になるリスクが高いということです。
ウチの息子を見ればわかります。。
 
今の時代、スマホを使わせないというのは難しいかもしれません。
本書には著者のアンデシュ・ハンセンからの
「デジタル時代のアドバイス」が載っています。
このアドバイスも参考にしつつ、
スマホの「使い方」について、子供たちと話してみたいと思います。

読書メモ:方丈記(鴨長明著)

「ゆく河の流れは絶えずして しかも もとの水にあらず」
という有名な文章で始まる、
鴨長明方丈記です。
 
これに続く文章をご存知でしょうか?
私は知りませんでした。
 
 
「淀みに浮かぶうたかたは
かつ消えかつ結びて、
ひさしくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」
 
なんで今頃「方丈記」とお思いかもしれません。
ふと本屋さんで目に留まり、
そのまま買って帰りました。
 
「日本中世文学の代表的な随筆とされ、
「古典日本三大随筆」に数えられる。」(Wikipedia
 
原文は意外に短く、20ページほどなのですぐ読めます。
 
出だしは、大火、大風、遷都、飢饉、大地震などの
災厄の描写が続きます。
 
今現在の日本も毎年のように災害が発生しています。
当時の人々も同じ日本人であり、
同じような心情を持っていたんだなと
当たり前のことに気が付きました。
 
また鴨長明という人も挫折の多い人生だったようで、
共感する部分がたくさんありました。
 
意味はわからなくても、古文のリズムは心地よいです。
 
「人のいとなみ、みな愚かなるなかに、
さしも危うき京中の家をつくるとて、
財(たから)を費やし、心を悩ます事は、
すぐれてあぢきなくぞ侍る」
 
「魚(いを)は水に飽かず。
魚にあらざれば、その心を知らず。
 
鳥は林をねがふ。
鳥にあらざれば、その心を知らず。」
 
秋の夜長に、日本中世の無常観を味わうのはいかがでしょうか?

読書メモ:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(岩崎夏海著)

「半歩遅れ」どころか、
何百歩も遅れて最近読んだ、
もしドラ」を紹介します。
 
「平成二十一年(2009年)刊行」ということなので、
13年前の本です。
アニメや映画にもなったので、
知ってる方も多いと思います。
 
ドラッカーの『マネジメント エッセンシャル版』の
さらにそのエッセンスを
野球部のマネジメントを通してわかりやすく説明してくれます。
 
・人の強みを生かす経営
・人事に関わる意思決定
などについてのドラッカーの考え方が
物語を読みながら、スッと頭の中に入ってきました。
 
 
『マネジメント』からの引用も効果的です。
 
「始めから身につけていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。真摯さである。」
 
「したがって「顧客は誰か」との問いこそ、
個々の企業の使命を定義するうえで、
もっとも重要な問いである。」
 
実はドラッカーの『マネジメント』も
読んでないので、すごく読みたくなりました。
 
・『マネジメント』って自分にもできそう。
・いろんなことを『マネジメント』してみたい。
と安易な感想を持つことができる本です。
 
なんか仕事やいろいろなことに対して、
前向きになれそうです。
 
まだ読んだことがない方は、
是非読んでみてください。

読書メモ:GIVE & TAKE(アダム・グラント著)

普通の人は「ギブ&テイク」で人生を決めている。
一方、幸せな成功者は「ギブ&ギブ」、
すなわち「ギバー(与える人)」である、
ということです。
 
私も思わず胸に手を当てて、
自分が「ギバー」か、
「テイカー(受けとる人)」か「マッチャー(バランスをとる人)」
かと自問してしまいました。
 
この三つのタイプは、それぞれにメリットとデメリットがあります。
様々な調査によると、成功からほど遠い位置にいるのは、
「ギバー」だということです。
「ギバー」は自分の成功を犠牲にして、相手の利益を優先するからです。
 
一方、最も成功するタイプは?
実はそれも「ギバー」だそうです。
 
成功する「ギバー」とそうでない「ギバー」がいる。
その違いは何なのでしょう?
 
・「自己犠牲」ではなく、「他者志向性」
・「自分にとって意義のあることをする」
・「自分が楽しめることをする」
というのが成功する「ギバー」とそうでない「ギバー」を分けるポイントです。
 
「いい人」だけでは絶対に成功できない。
人を動かし、夢を与える「ギブの輪」を広げるのが、
自分や周りを幸せにする秘訣です。
 
「テイカー」:自己中心的で「常に、与えるより多くを受けとろうとする人」
が成功しない、
ということはなんとなくわかります。
 
「テイカー」は利益の「パイ」を奪い合うだけだが、
「ギバー」は利益の「パイ」を大きく増やす。
 
周囲の人もその恩恵に預かることができ、
チーム全体のパフォーマンスがあがります。
 
「「ギバー」として生きることは、仕事の成果を出すためだけでなく、
人間としてもっとも幸せな姿勢である」
 
自分も周囲の人も幸せにする、「ギバー」になりたいものです。

読書メモ:人間の経済(宇沢弘文著)

人間の経済(宇沢弘文著)

尊敬する宇沢先生の最後のご著書です。


「人間は心があってはじめて存在するし、心があるからこそ社会が動いていきます。」
「ところが経済学においては、人間の心というものは考えてはいけない、とされてきました。」
宇沢先生は、それはおかしいということで、経済学のタブーと戦って来られました。

 

その拠り所となったのは、文化功労者に選ばれたときに、
昭和天皇からかけられた以下のお言葉だったそうです。

「君!君は経済、経済というが、つまり人間の心が大事だと、そういいたいのだね。」

 

 

昭和天皇だけでなく、
ヨハネ・パウロⅡ世や、ミルトン・フリードマンなど、
歴史上の人物と言っても良いような人との交流もたくさん記されています。

 

もともとは、医学部志望だったそうです。
でも、「ヒポクラテスの誓い」という厳しい掟を終生守れるか、
医師として一生を貫くために必要な人間的資質などあるだろうか、
と深く悩み、医学部進学を断念したということです。

 

そして、数学の道を選び、その後、経済学に転じることになります。
「医学が人の病を癒やす学問なら、経済学は社会の病を癒やす学問」
という気持ちで経済学の道に進んだと語られています。
本当に一本筋の通った人物です。

 

「社会的共通資本」という視点から、
現在の医療費の問題や、環境(地球温暖化)、教育、農業などなど、
様々な社会の問題を癒やしたいという気持ちが伝わって来ました。

読書メモ:数値化の鬼(安藤広大著)

仕事ができる人になりたい!
と思い続けて、すでに25年。。
 
「数値化」の大切さはわかっている
(事あるごとに言われてきた)、
でもなかなできない。。
 
という悩みがあり、この本を買ってしまいました。
・「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法
・「結果を出したいプレーヤー」に向けて、
仕事の型になる「数値化」のノウハウを伝えます。
・できるだけ若く、柔軟な考え方ができるうちに、
「数値化」のスキルは身につけておかないといけないのです
 
どちらかというと、
入社10年ぐらいまでの若い人向けに書かれた本です。
 
私は会社に入ってから何十年も経っていますが、
改めて「数値化」がまったくできていない
ことに気付かされました。
取り返しのつかない年月を過ごしてしまいました。。
 
本書では、「数値化の鬼」になるための方法が
事細かに紹介されています。
 
・ステップ1「行動量」を増やす
・ステップ2「確率」のワナに気をつける
・ステップ3「変数」を見つける
・ステップ4「真の変数」に絞る
・ステップ5「長い期間」から逆算する
 
自分を顧みて、
「確かに」と深く頷いてしまったのは、以下の箇所です。
 
『人は、自分にとって都合が悪いときに、曖昧な言い方をします。
やましいことを隠すときに、私たちは、
「たくさん」「ちょっとだけ」「かなり」という言葉を使いますし、
既得権益を守るときにも感情的な言葉を多用します。』
 
「言葉は過剰」「数字は不足」の世の中。。
 
残りの仕事人生、「数値化の鬼」と化して、
成長し続けたいものです。